りんご農園 遠隔気象観測・IPカメラモニタリング システム

3Gパケット網を使用した遠隔リモートの気象観測システムです。
気象データとIPカメラの静止画(動画)および、発電データをモニタリングしています。
データーはインターネットにつながったパソコンなどで確認できます。ワールドワイドで場所を選びません。

観測点

データを表示しているポイントは以下の3地点です。18アールの地形が違うりんご園地をカバーします。 各観測ポイントの気象観測は2013年5月から開始しております。(H24年上期農工商連携事業)

  1. 緯度経度: 40°42′9.9″, 140°23′55.14″
  2. 標高: 39m 標準気圧: 1008.5736 hpa
  3. 弘前市貝沢 りんご園内1 メイン計測システム
  4. 弘前市貝沢 りんご園内2 無線子機1計測システム
  5. 弘前市貝沢 りんご園内3 無線子機2計測システム

観測項目

JWPの運営する気象観測システムは農業関係者のための情報提供であるため、以下の点で気象庁のアメダスとは異なります。 以下の点にご配慮の上ご利用ください。 また、本システムは農業利用を目的としているためアメダスに無い湿度と日射量を観測しています。 (弘前アメダスには、湿度と日射量がありません) 湿度は病害虫の発生や降霜の推定等にまた日射量は光合成の推定などに利用しています。 今回はオプション品となる、地中温度センサ、土壌センサ(含水率・電気伝導度・地中温度)、葉面濡れセンサ、ガイガーカウンタを取付しています。

センサ 測定項目
気象計 風速・風向き・温度・湿度・露点・蒸気圧・気圧・降水量・日の出・日の入り・日射量。 本システムの気象計は気象庁検定品ではありませんが自社の検定試験により農業利用として十分な精度を確保しておりますのでどうぞご安心してご利用ください。
地中温度センサ 地中温度。
葉濡れセンサ 葉面伝導度。 木の葉と同じような位置におき、雨、霜、凍結の判定をおこないます。
温度・湿度センサ 温度・湿度・露点・蒸気圧。
気圧センサ 大気圧。
土壌センサ 体積含水率・電気伝導度・地中温度。 りんご園の土(黒ボク)の土壌を測定し、土壌の保水性や肥料の散布等による土壌への影響などを測定します。
ガイガーカウンタ 放射線量(ガンマ線)。 園地の空間線量を計測します。 原発などの影響によるホットスポット、空間線量がないか測定します。
無線子機(2台設置) 温度・湿度・露点・蒸気圧・地中温度。

観測項目の解説

観測項目 説明
降水量 1時間あたりの降水量。転倒枡方式で0.2mm毎に計測します。 観測データは、転倒枡の回数および間隔によって推定された値です。 本システムは霧雨程度の雨量も観測できるように0.2mm毎で計測します。 アメダスは0.5mm毎の計測です。 少量の雨の場合、乾燥等で感知できない場合があります。
気温・湿度 計測時には太陽光を遮蔽するとともに常時通風し、 周囲の気温と等しくするための工夫により観測しています。 観測データは10分間で計測した平均値です。 例えば10時のデータは9時50分から10時までの10分間の平均値です。
風速・風向き 風速・風向きは約1秒間隔で計測しています。 風速は10分間で計測したおよそ600個のデータの平均値です。 例えば、10時のデータは9時50分から10時までの10分間の平均値です。 風向も同様に10分間のベクトル平均値です。 本システムの測定高度は4~5mです。 アメダスも4~5mですのでアメダスと比較できます。
日射量 全天日射量。地表面に到達する太陽光のエネルギーを計測します。 観測データは10分間に降り注いだ日射エネルギーの積算値でMJ/㎡の単位で表します。 データは1日(おおよそ日の出と日の入まで)の積算をします。 また、季節や天候によって左右されます。 例えば2012年5月の青森での全天日射量の月平均値は17.5MJ/㎡です。(気象庁データより) 本システムの日照時間は日射量の日合計値から気候学的に計算した日合計の推定値です。 日照時間の無い曇りの日でも雲の厚みによって地表面に到達する日射量には大きな相違があります。 作物はそのような太陽エネルギーを得て生長を続けます。 本システムでは日照時間よりも日射量を重視しています。
葉面濡れ率 模擬葉面上の誘電率を測定する方式で、少量の水滴や氷も測定することができます。 このセンサは、熱的・放射的に実際の葉の特徴を模しているので、葉と同じ環境に置くことによって、 葉への結露を測定することが可能です 。 誘電率は相対的に、水(80)、氷(5)、空気(1)であり、その差を計測します。 これにより相対的な結露量を測定することが可能です。
気圧 気圧をモニタリングすることで天気の状態(下り坂、上り坂)を予測できます。
圃場の標準気圧は1008.57hpaなので、これより上であれば高気圧が張っていて概ね天気が良く、下であれば天気が下り坂、概ね天気が悪い傾向です。
土壌センサ 地中温度 土壌センサは深さ35cmに埋設していて、 その地中温度を測定します。 気温では外気や天候によって左右され判断が難しい場合でも地中温度は安定しており、 その日の状況を容易に確認できます。
土壌センサ 含水率 土壌センサの深さ35cmで黒ボク土とすると 0.14~0.17 [m3/m3]が標準の体積含水率でしょうか? H25年度の評価(農業従事者の経験や、土壌の表面外観(ヒビ、ワレ)などと合わせて閾値を求めていきます。 誘電率から土壌水分を測定する誘電率土壌水分センサで土壌の誘電率は土壌水分量にほぼ比例します。 比誘電率は、水が81、土粒子が3~4、空気が1で、 この水の比誘電率の大きな変化を利用することで土壌中の体積含水率が求められます。
土壌体積含水率 [m3/m3] の目安(黒ボク土の場合)
過湿ぎみ 適正 乾燥ぎみ かん水必要 かんばつ
0.144 以上 0.143 - 0.108 0.107 - 0.090 0.089 - 0.071 0.070 以下
土壌センサ 電気伝導度 電気伝導度(EC)は、土壌溶液または培養液中のイオン総量を示す指針としても扱われています。
単位はデシジーメンス毎メートル [dS/m] 10 [mmhos/cm] = 10 [mS/cm] = 10 [dS/m]
EC値が低すぎれば土壌中の肥料分が少なく生育不良になり、 高すぎれば濃度障害で生育阻害が起こる要素となります。
土の種類 果菜類 葉・根菜類
黒ボク土 0.3~0.8 [dS/m] 0.2~0.6 [dS/m]
りんご農園での目標値 0.4~0.8 [dS/m]
1.53 [dS/m]以上は高く、窒素が多かったり、塩害の恐れあり≒悪い土壌、多施肥により塩類が土に集積しているかどうかの目安
ガイガーカウンター 放射線量(ガンマ線)の計測です。 空間線量としてマイクロシーベルト毎時(μSv/h)で表しています。 おおむね、0.02~0.06 [μSv/h]のあいだです。 弘前市役所を観測点としたデータは下記サイトより確認できます。

太陽光発電について

本システムの電源は、太陽光パネルによる完全独立ECO電源システムを利用しています。 気象計、IPカメラおよび、3G制御システムなどの電源を得ています。

農園管理システム稼働マップ

青森県内に設置した観測システム(一部)の観測データを見ることが出来ます。 農園管理システム稼働マップ よりアクセスできます。

平成25年度の活動

  • 遅霜などの霜発生予測アルゴリズムの検証・改良
  • 気象データからの統計・予想、栽培暦との照合
  • カメラモニタリングによる成長過程およびリンゴの赤味の変化、画像処理・カラーチャートマッチングによる穫適期の判定支援
  • 土壌センサによる肥料分の動態を確認し,施肥の時期や方法が及ぼす影響、冬季凍土状態、雪解けの確認
  • 農業ICT、気象センシングの有効性、栽培や園地管理技術への貢献度、農業従事者が簡便に使用できるかなどの評価